2022年3月議会 代表質問 ヤングケアラー支援について

病気の家族の介護や幼い兄弟の世話を担う18歳未満の子ども、ヤングケアラーへの支援が新年度から大きく動き出します。起点となったのは、厚生労働省と文部科学省による合同プロジェクトチームがまとめた支援に関する報告書であり、このプロジェクトチーム設置のきっかけとなったのが昨年の参議院予算委員会での公明党の伊藤孝江議員への答弁でありました。
伊藤議員の地元、神戸市では20代女性が介護していた祖母を殺害する事件があり、これを憂えた伊藤議員は、専門家にヒアリングを行うなどヤングケアラー支援を模索。プロジェクトチーム設置につなげるとともに、当時の菅総理からも省庁横断のチームにおいて、当事者に寄り添った支援につながるようしっかり取り組んでいきたいとの答弁を経てプロジェクトチームで議論を重ね、今回、そのチームからの報告書に沿った動きが国において始まります。

 

西垣
西垣

今回国のヤングケアラー支援のポイントは、1、早期発見・把握、2、支援策の推進、3、社会的認知度の向上の3本柱から成りますが、本市での支援内容は具合的にどのようなものか、子ども未来部長にお伺いをしたいと思います。

部長
部長

ヤングケアラーとは、法令上の定義はございませんが、一般に年齢や成長の度合いに見合わない重い責任や負担を負って、本来大人が担うような家族の介護や世話をすることで自らの育ちや教育に影響を及ぼしている18歳未満の子どもとされております。

部長
部長

岐阜市においても3本の柱に沿って事業を行ってまいります。
1つ目の柱、早期発見・把握につきましては、身近な大人がアンテナを高くしヤングケアラーに気づくことができるよう、学校、地域、病院、介護現場等、様々な関係機関の方々に対し研修会を行って、さらなる周知活動に力を入れていきたいと考えております。学校の先生方は子どもと接する時間が長く子どもたちの変化に気づきやすいことから、まずは学校で先生方がそうした子どもに気づき、課題を把握し、必要な支援につなげることが大切な仕組みだと考えております。そのほか、介護や医療の現場においても、家庭の中で子どもが家族の世話をして年齢に見合わない重い負担を負っている姿を発見する可能性があるため、子どもに関わる各機関がヤングケアラーという存在を認識しヤングケアラーの可能性についての視点を持って家庭状況の把握に努められるようにしていきたいと考えます。
次に、2つ目の柱、支援策の推進につきましては、新年度から新たにヤングケアラーコーディネーターを「エールぎふ」に1名配置するほか、スクールソーシャルワーカーや、福祉部が設置している重層的支援体制整備事業における福祉まるごと支援員などと連携しながら、関係機関や民間団体等とのパイプ役となるよう、ケース会議の開催等を行ってまいります。
ヤングケアラーと疑われる子どもに気づいた大人は、ヤングケアラーコーディネーターなどにつないでいただき、家庭内に介護等が必要な家族がいる場合には、その家族の福祉サービスの利用状況などを確認し、適切な支援につないでいくことが必要と考えております。
最後に、3つ目の柱、社会的認知度の向上につきましては、ポスターやチラシなどの配布を進め、さらなる広報、周知活動に集中的に取り組んでいきたいと考えております。
子どもの家庭環境は様々ですが、どの子も子どもとしての権利が守られ、将来に夢を持ち、健やかに成長していけるよう、社会全体で支える必要があります。
いずれにいたしましても、「エールぎふ」では、こうした社会実現のために、さらなる相談支援体制の強化に取り組んでまいります。