2018年9月 高齢運転者の交通事故防止対策について

国内の交通事故死者数は、昨年3,694人と68年ぶりに記録を更新し、戦後最小の数となったとの報告もありましたが、交通事故の死者に占める高齢者の割合は2017年では54.7%となり、高齢化比率27.7%から考慮しても約2倍、欧米諸国と比較すると極めて高い死亡率となっており、高齢者の死亡事故率が極めて高くなっていることが見てとれます。

こうした中、現在社会問題にもなっているのがアクセルとブレーキのペダルを踏み間違えたことによる交通事故であります。岐阜市では「アクセルとブレーキの踏み間違い事故」は人身事故に限ると過去5年では平成26年の34件をピークに昨年は14件であったとのことで、人身事故は減少傾向であるものの物損も含めればまだまだ看過できる数字ではないようであるとのことです。

西垣
西垣
こうした事案を受け運転免許証自主返納の啓発だけでなく、最近では主流になりつつある、「誤発進抑制装置」「衝突回避機能」などを装備した車、いわゆる「安全運転サポート車」と呼ばれる自動車の買い替え促進等々を行っている自治体も多くみられます。県内の美濃加茂市では今年度から「高齢者先進安全自動車購入費補助制度」を創設、安全運転サポート車を購入された市民に対し、購入費の一部を補助する取り組みを始めている他、こうした自動車がどのように被害軽減に繋がるかを知っていただくために、自治体が主体となって高齢者を対象とした試乗の機会を設けているところもあるようです。本市においても、痛ましい事故を無くすため、既に行っていただいている免許証自主返納啓発活動に加え、安全運転サポート車の普及促進にも力をいれていただきたいと考えますが、交通安全を所管する市民生活部長に、市内高齢者の免許証の自主返納状況の推移とあわせて、「安全運転サポート車」普及の取組についてお考えをおたずねします。
部長
部長
運転免許値の自主返納数全体では、平成28年度は1,008人、平成29年度は1,336人の方が岐阜市内で返納されております。また、「安全運転サポート車」の普及についてでございますが、国土交通省の資料によりますと、2016年の新車における装着率は自動ブレーキで約7割、アクセルとブレーキのペダル踏み間違え時加速抑制装置が約5割となっており、装着率は年々増加しております。しかしながら、こういった機能について、まだまだご存知でない方もおみえになりますので、まずは、周知を図ることが重要であります。そのため、以前より、各警察署や交通安全協会、自治会と連携して開催する高齢者交通安全大学校で、体験鼠乗会を開催し、先端の安全技術を実際に体感していただいております。今後とも引き続き、各警察署の取り組みに積極的に協力するとともに、岐阜市の防犯・交通安全指導員による「高齢者出前構座Jにおいても、「安全運転サポート車Jの効果などの周知を行い、自動車を買い替える際の参考にしていただけるように啓発することで、高齢運転者の交通事故防止につなげてまいりたいと考えております。