岐阜市公共施設等総合管理計画についてであります。
昨年度3月15日に策定された岐阜市公共施設等総合管理計画についてお伺いをいたします。
これについては3月議会でも取り上げさせていただきましたが、3月議会では、計画の中身というよりは、その前段の元データとなる公共施設マネジメントシステムの位置づけを中心に聞かせていただいており、計画の中身については議論を深めることができませんでしたので、改めて計画の進め方についてお伺いをいたしたいと思います。
今回は、あえて施設類型でいう土地、インフラ資産を除いた建築物系施設に絞ってお伺いをしたいと思います。
建築物系施設全てに共通するマネジメント手法として、計画では、計画的な維持・更新、総合的な資産経営、施設総量・配置の最適化の3つの柱がその内容とともに明記されております。
建物の維持更新のための統一的な基準とありますが、建物は建築年度によってその工法や材質も大きく異なると思いますが、それを一まとめにして、統一的基準とはどのようなことを想定されているのでしょうか。
これまで、本市の公共施設等の管理は、施設管理者によって施設ごとに行ってきましたが、今後は、老朽化により発生する課題に対応するためには、市の公共施設等全体を総合的、統一的に管理をしていく必要があります。統一的な基準には、施設の点検、診断の基準や公共施設等全体の予防保全型の修繕のサイクル等が挙げられます。施設の点検、診断については、点検箇所や頻度等を定め、全ての施設が同一基準で点検、診断できるようにしてまいりたいと考えております。また、予防保全型の修繕のサイクルは、公共施設等の安全を確保するとともに、施設の長寿命化によるライフサイクルコストの低減と更新費用の平準化を図るため、修繕の間隔や修繕の内容について基準をつくってまいります。
計画的な維持・更新とは、早目早目に細かく修繕を行うことによって、長い目で見て維持費用の削減につなげるものだと受けとめておりますが、それと同時に、民間の力を活用しと明記してあります。この民間の力とはどのようなものを想定されているのでしょうか。
公共施設等の維持更新や管理運営に民間のノウハウや資金を活用することなどで、例えば、指定管理者制度やPFI事業などが挙げられます。
維持・更新時には環境への配慮、機能性の向上とありますが、具体的にどのようにされていくのでしょうか。
環境への配慮、機能性の向上については、施設の修繕や更新の機会を捉え、LEDなどの省エネかつ耐久力のある環境に配慮した設備の導入や段差解消、多目的トイレの設置など施設のユニバーサルデザイン化を検討してまいりたいと思います。
総合的な資産経営についてであります。マネジメントの中で、施設の有効活用の検討とあります。市の建物は明確な目的のもとに建設され、利用されているわけですが、それをさらに有効活用を検討というのは、どのようなことを想定されているのでしょうか。
公共施設は、それぞれ設置の目的がありますが、社会情勢の変化に伴い、市民の皆様のニーズも変化してまいります。このため施設の利用状況を把握し、ニーズの低い施設をニーズの高い施設へと転換することなど、社会情勢と市民のニーズに合致した施設となるよう検討するとともに、余裕空間等を活用し、民間に貸し付けるなど、収入へつなげる活用を考えていきたいと思っております。
施設総量・配置の最適化についてであります。これについては、全庁横断的な本市の施設全体を俯瞰的に捉え、検討する組織の必要性を3月議会でも訴えさせていただきました。
企画部長の御答弁では、企画部内に公共施設等マネジメントを担当する職員を配置するとともに、全庁横断的な会議を設置するとのことでありました。計画にも、推進体制のイメージとして記載されているところでありますが、この組織を中心にどのような手法で施設総量・配置の最適化を進めていかれるのか。4月から立ち上がり、現在計画が進められていると思われますが、どういった作業に着手されておられるのか。マネジメント担当を配置する企画部と全庁横断的な会議、それに建物を実際に所管する部署とがどのように連携して、最終的な施設全体の配置最適化を進めていかれるのか。それぞれの役割と関係性をお示しいただき、総合管理計画は10年をめどとした計画ですので、10年の間でどのようなスパンで計画を進めていかれるのか、スケジュールの目安もあわせてお尋ねをしたいと思います。
今年度から全庁横断的な組織として、浅井副市長を委員長とする岐阜市公共施設等マネジメント推進委員会を設置するとともに、企画部政策調整課に公共施設等マネジメントを統括する公共施設マネジメントグループを設置し、全庁を挙げて公共施設等マネジメントに取り組み始めたところであります。公共施設等マネジメントに関し、施策、方針などの意思決定を行う岐阜市公共施設等マネジメント推進委員会は、公共施設等マネジメントに関し、施設方針などの意思決定を行う機関であります。公共施設等マネジメントの基本方針に関することのほか、公共施設等の取得や廃止などについても審議を行います。
公共施設マネジメントグループは、施設情報の一元管理、分析やさきに御質問のありました統一的な基準の策定を行うなど、全庁横断的、統括的な業務を行い、必要に応じて岐阜市公共施設等マネジメント推進委員会に諮ってまいります。他方、施設所管課は、公共施設等マネジメントの基本方針に沿って、施設管理者として施設を管理するとともに、持続可能な公共サービスを提供できるよう取り組んでまいります。
今年度の動きについてですが、公共施設等マネジメント推進委員会において、今後の公共施設等マネジメントの方向性について確認をしたところであります。また、マネジメントの実務的な事項を検討する岐阜市公共施設等マネジメント実務検討会を開催し、建物調査の技術的検討を進めております。さらに、公共施設マネジメントグループが中心となって、施設情報の一元管理、分析を行うための公共施設マネジメントシステムを開発、導入するため、事業者を公募をしているところであります。
今後のスケジュールについてですが、まずは、市が保有する公共施設等全体で建物自体の評価を行い、3年後をめどに計画的な維持更新を図っていくための保全計画を策定していくこととしております。一方、社会情勢の変化や市民の皆様のニーズを見きわめるとともに、施設ごとの劣化度や利用状況、コスト状況を調査分析することで、施設総量・配置の最適化に向けての検討を継続的に進めてまいります。