中小企業の設備投資支援についてお聞きします。
地方の中小企業は人手不足に直面しているほか、所有している設備の老朽化が進んでおり、生産性の向上が喫緊の課題となっています。
政府は平成30年度税制改正で、自治体が策定した導入促進基本計画に基づき、中小企業が設備投資計画を策定し、自治体の認定を受けることで新たな設備投資に係る固定資産税を、自治体の判断で3年間ゼロにできる制度を創設するようです。
さらに固定資産税ゼロという思い切った判断をする自治体に所在している中小企業には、政府も補助金の優先採択を行い、特に、ものづくり補助金では優先採択とともに補助率が3分の2に引き上げられます。
モノづくりをする市内の中小企業に対しても有益な政策だと考えますし、域内の経済・雇用を支える中小企業に対する支援策としてわが市が率先し、この制度を活用することで、わが市の産業振興に対するスタンスをPRし設備投資をこの地域に呼び込むチャンスにもなるのではないでしょうか。
新規投資が増えれば、4年目以降については、新たな固定資産税収入となって徴収できますし、補助金の優先選択もついてきます。本市のように普通交付税交付団体であば基準財政収入額の算定には減税分75%が考慮されるようです。
そこで速やかに岐阜市として設備投資支援につながる基本計画の策定が必要と考えますが、中小企業の支援策として、今後どのように対応するか、商工観光部長におたずねします。
2月9日に閣議決定され、現在、通常国会において審議されております生産性向上の実現のための臨時措置法では、自治体が条例により中小事業者の償却資産に係る固定資産税の現行税率1.4%について、3年間、ゼロから2分の1の間で軽減することができる特例措置が盛り込まれております。
この特例措置を受ける条件として、まず、自治体は全体方針となる導入促進基本計画を策定し、国の同意を得ることが必要です。
また、中小事業者は商工会議所などの認定支援機関と連携して、先端設備導入計画を作成し、この計画が自治体の策定した導入促進基本計画に即しているものとして自治体に認定されれば特例措置が受けられることになります。
なお、対象となる償却資産は2020年度までに取得した機械装置や器具、備品、建物附属設備などで、生産性が旧モデルに比べ1%以上向上することが条件となります。
また、条例において当該償却資産に係る固定資産税をゼロとした自治体の中小事業者が、国のものづくり補助金等を申請している場合には、補助金の優先採択や補助率が2分の1から3分の2に加算されるなどの利点があります。
本市としては税の減収にはなるものの、特例措置が3年間に限定されていることや設備投資による経済波及効果や補助金採択に関するメリットなど、中小企業の生産性向上に効果が見込まれることから、財政部と歩調を合わせ、国が示しているスケジュールに沿って前向きに検討を進めていきたいと考えております。